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ことのはデザイン塾

最終回 情報意匠

2006年11月18日号掲載

わたしは、このコラムを通して日本語の奥に潜む膨大な文化をみなさまと共有したいと思ってきました。単に「この言葉の語源はこんな意味です」というところに留まる気など毛頭ありません。そんな本なら巷(ちまた)にあふれかえっていますし、それは雑学です。

一回一回は短いコラムですが、「恋」から「乞い」を、「愛」から「哀」を、同時に読み取れる、そんな日本人の多重性をとりもどしたい、そう強く思いながら筆を執ってきました。勘違いしてはいけません。日本の文化はあいまいなのではないのです。多重なのです。

この日本の多重性を、わたしは「情報意匠」という方法で読み解こうとしています。先人の産み落としてきた意匠(デザイン、カタチ)の中には幾重にも折り込まれた意味があるのです。

もちろん、「かわいい」というだけのコンセプトで商品や人、お金が大量に動くこともよく知っています。ただ、そういった多くのモノは日々膨大に生まれ、消費されてしまいます。なにごともバランスが大事なんだといってしまうと、それでなんだか片が付いたような気になってしまう。

だからこそ、わたしは、あえて宣言したいのです。意味をカタチにきちんと乗せていく、そんな物づくりが必要なんだと。そういった意味で、誠意をもって物づくりをしている人が、評価されない、そんな日本や静岡であってはならないのです。

実は、このコラムも今回が最終回。ほかにもいっぱい書いておきたかったことはあるのですが、残念です。みなさまが、平野にもっと書かせて〜と黄色い声(おもしろい表現ですね)をあげてくだされば、もしかしたら、このコラムも続投できるかもしれません(笑い)。逆に、もう書かせるな〜という意見もありましょうが、それは飲み込んでくださいませ。なぜなら悪い言葉は世の中を暗くするからです。

わたしは言葉の力を信じています。静岡をきちんと語る言葉をみつけていくことが今のわたしの課題であり、そうして静岡に住む人の責任です。

それではみなさま、

またいつ花。

平野雅彦さん

塾長:平野雅彦さん

アート・シーンから教育現場まで、ジャンルを超えた知を編集し続ける情報プランナー。「情報意匠論」という、文字や言葉に立脚したプロジェクトの立ち上げに挑む。広告賞多数。
静岡大学非常勤講師。

バックナンバー

  • 最終回 情報意匠
  • その九 こと、もの
  • その八 梅に鶯
  • その七 鳥の足跡
  • その六 えだと手
  • その五 鼻と息
  • その四 時
  • その三 裸足
  • その二 「蒸す」と「結ぶ」
  • その一 季寄せ
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