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まもなくひな祭り。花屋には桃の枝が並び、お菓子屋にはひな菓子がそろって、店先を眺めるだけでも楽しい。灯りをつけましょ、ぼんぼりに♪と、思わず口をつく。
今回のお菓子は、「金華糖」。昨年、静岡ではすでにまぼろしの存在としてご紹介したのだが、今年は静岡の和菓子屋・蔵好三坂屋が作ってくれた。まさに作ってくれてありがとう、と言いたい気持ち!
「昔は行事ごとに、お節句にはコレというお菓子がちゃんとあったよね。それがこんな世の中だから、年に一回だけ、しかも面倒で割りに合わないって作らなくなってきた。金華糖もその一つ。専門店がそれで良いのかって挑戦してみた」とご主人の望月好蔵さん。年が明けてから普段のお菓子作りの合間をみながら、ひな祭りまでに何とか完成させたいと試行錯誤を続けた。そうして、間に合いましたよ、懐かしの金華糖。
木型はかつて祝儀に付き物だったおひらと呼ばれる落雁の型の中から、ひなの節句に合うものを選んで使った。砂糖の糖度をどこまで上げるか、泡を見ながらの煮詰め加減にコツがいる。型からはずす温度の見極めもむずかしい。
季節ごとにゆったりと自然をめでたり、節句に合わせて飾りを出したりしまったり。幸せを願う家族の美しい楽しみが、どんどん消えていく。のっぺらぼうな社会だ。
「寒々しいよね。年に一回だからこそ、きちんと作っていきたい」。静岡に復活した金華糖、この甘い昔ながらの砂糖菓子に専門店の意地がこもってる。
取材協力
蔵好三坂屋
住所/静岡市北403ノ1
TEL054(246)1135
(03/03/01号掲載)
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| ▲カゴにかわいく盛られた金華糖は小600円・大1500円(税別)。懐かしいと話しかけてくるお客が多い。中まで砂糖がずしりと重い。節句が過ぎたらお料理などに使うのがおすすめだ |
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| ▲「昔の彫師の腕はすごかった」とご主人。年季の入った木型の数々。お菓子の型には長く寝かせた桜材がいちばん。水につけても寸分の狂いも出ないのだという |
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