みなさま、お久しぶりです。前回のシリーズ『ことのはデザイン塾』最終回掲載時には、大変おおくの方に再開のリクエスト「黄色い声」をいただきました。なんだか催促してしまったようですね(笑い)。ありがとうございました。
今回から表題も新に『色はにほへ都』をはじめます。そう、「いろはにほへと」と読みます。「都に香るさまざまな文化や色」といった意味合いです。
またこのシリーズでは前回同様、日本語の語源の多くに触れていきますが、そこだけにとらわれないで、むしろそこに潜む日本という国の執ってきた「方法」や「型」「道」「精神」などに注目していただけたら幸いです。
さて、本題です。
日本をはじめ、あらゆる文化圏には独特の色があり、それは地域の気候・風土や暮らし、政治とも深く関わりながらカタチを整えてまいりました。
なかでも人類の祖先たちは洞窟内で焚き火をし、天井にたまった煤(すす)を利用して墨色をつくり、森や草原を移動する際に衣服に付いた植物の汁から染料を発明したと考えられます。
また動物の威嚇や求愛のなかから、そのときどきの色を発見し、動物を真似て自らの体に色を塗り(化粧の原型)、刺青(ファッションの原型)をしました。藤原美智子も三宅一生も、原型はここにあるのです。
ところで日本語の色とは、どこからきているのでしょうか。古語(『日本書紀』)にこんな言葉が登場します。「いろせ(同母の兄弟)」「いろね(「いろえ」に同じで同母の兄姉)」「いろも(同母の姉妹)」。これらに使われている「いろ」とは、同母のこと。そこに他の言葉がついて、同母から生まれた兄弟姉妹を表します。色と母がつながっていたとは驚きですね。
古代では、親族同士が婚姻関係を結ぶのは普通でしたから、それが色恋の意味に発展したのかもしれません。いや、「いろ」が色恋と直接結びつく以前には、親族関係に発生する情けや尊敬などの情動の感覚が「いろ」に強く反映されていたに違いありません。そのために同族のひとかたまり(グループ)という意味を「いろ」という言葉でまとめていたとも考えられます。
ちなみに「郎女(いらつめ)」「郎子(いらつこ)」の「いら」は「いろ」の変形で、それぞれ女性と男性を尊敬の念を込めていう言葉です。
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