阿吽(あうん)、帰依、安楽、三途(さんず)、道場、懺悔(ざんげ)、空(くう)、往生(おうじょう)、喝、縁起、因縁、因果、これらの言葉は仏教から生まれた言葉です。確かに改めて眺めてみると、仏教のことは詳しく知らなくてもこれらの言葉には「仏教らしさ」がただよっているとおもいませんか。
では、今から挙げる言葉も実は仏教から生まれた言葉だと云えば、えっ、ほんとう? 想像できない。そうおっしゃる方も多いのではないでしょうか。
安心、挨拶、愛欲、意識、一味、覚悟、機嫌、二月、玄関、自然、差別、丈夫、相続、知事、長老、人間、馬鹿、平等、発心、竜宮、実際、迷惑、有頂天、一大事、意地、演説、小僧、根気。
なんだかビックリしませんか。紙幅の許す限り詳しく見ていきましょう。
まずは玄関。禅の言葉で「玄妙」(げんみょう)という考え方があります。道理が奥深くて優れたものであるという意味です。その修行の道の入り口をもともと玄関と呼んだのです。
知事という言葉も、改めて仏教の言葉だというとなんだか妙な気がしませんか。これは中国は宋の時代、仏教寺院の庶務を受け持つ役割が知事と呼ばれていたことに由来します。本来は知院事といわれていたのですが、時代がくだるにつれて短縮され、知事の形になりました。
馬鹿も仏教から出た言葉です。サンスクリット語のバカ(baka)には悪漢、偽善者などの意味がありますし、痴の意味であるモーハ(moha)の音写語ではないかともいわれています。やや専門的になるのですが、馬鹿は和語の「はかなし」の強調形だとする説もあります。
二月。これは「きさらぎ」と読みます。如月とも綴るのですが、本来は「生更ぎ」の意味で植物が生き返るということです。サンスクリット語で二月をキサラヤ(kisalaya)というところからきています。また形容詞のキサライタ(kisalayita)は発芽したの意味があります。これは春の語源が、「(生命が)張る」ということにつながっているようにもおもえます。
それにしても、ここまで深く仏教が日本人の生活に入り込んでいるなんて不思議ですね。あ、ちなみに「不思議」も仏教から生まれ出た言葉です。
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