わんわん、ぶーぶー、どかどか、テカテカ、ばんばん、びゅーん、日本には擬音語・擬態語がどーんとあふれています。特に自然と係わる擬音語・擬態語が多いようです。それは世界に類をみない種類や量なのです。
例えば雨が「しとしと」降るを英語で言う場合には、「a steady,gentle drizzle」となり「ぽつんぽつん」は「a few drops here,a few drops here」となり 「ぽつぽつ」では「a drop here,a drop here」となります。日本語ではひと言で言えることも、そういった「自然現象がない」国ではどうしても文章で説明しなければならなくなるのです。
擬音語といえば、必ず口の端(は)に掛かるのが、動物の啼(な)き声。挙げればきりがないのですが、イヌはBow WowネズミはSqueakと啼く。いや、欧米人にはそう聞こえるのです。他にも蛇の擬態語はSss Sssです。確かにSの字からは蛇がにょろ〜としている状態だけは想像できますね(笑い)!
そうそう、平安時代の「大鏡」という歴史書には、イヌは「びょ」と啼くと表記されています。この「常識」が江戸時代中期まで続きます。ちなみにネコの啼き声は「ねんねん」と聞こえていました。
一方文学作品に目を向けてみると、中原中也が空中ブランコの揺れる様を「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」と表現したり、北原白秋が「蛙がころころラムネ飲む」といったり興味深い。宮沢賢治にいたっては擬音語表現の天才ですね。
ところで、日本で大発展を遂げたマンガ(「マンガ」と書くか、「漫画」と綴るかはその道のプロからすると大変な差があるのですが、この場ではマンガと表記します)にも擬音語・擬態語が乱打されます。なかでもわたしがずっと注目しているのが「シーン」「しーん」(「シ〜ン」とも「し〜ん」とも表され、これらは区別される)という擬態語です。それは何も音がしないことの記号なのです。
と、おもってしまいがちですが、どうもこれはちょっと疑ってみる必要がありそうなのです。というのも、「しーん」は「しん」がもとの形でこれは「深」を源にしている。中国の山水世界を想像してください。あの深遠な世界観です。「深」の字が耳で「しん」と平仮名変換され、それが(特に)マンガのなかで擬態語的に用いられたようなのです。いやはや、深いですね。
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