| 3年の歳月をかけて完成させた著書が出版され、「読んだ方から『元気をもらいました』と言っていただけたことが、何よりうれしかった」と温かくほほ笑む佐津川榮子さん。
「脳性小児まひの障害を持つ長男が50歳をむかえたことへの感謝と、生きてきた証を残したいという思いから筆をとりました」。長男の子育てと介護、家庭奉仕員として障害児を持つ多くの家族に寄り添った経験、そして脳梗塞で倒れたご主人の介護。「愛の絆 三つの介護」には、佐津川さんの50年の介護生活が綴られています。
「ここに書いたのは、頭の中に残ってしまった記憶ばかり」と佐津川さん。一心に介護をしながら、重症児のための教育の場を求めて奔走した日々…。「つらい、大変だなんてまったく考えたことがなかった。ただ、子どもを幸せにしたいという気持ちだけでやってきました」。
50年もの間、介護と向き合いながらも、不安感や閉塞感は感じたことがないと言う佐津川さん。「介護されるのは辛いこと、気持ちの上では介護をさせてもらえることが、むしろ幸せ。あったことを振り返るのではなく、温かな気持ちで尽くすことだと思います」と穏やかに語ります。
介護を取り巻く状況が厳しくなるなか、自らの経験を生かして多くの人に「前へ前へ、胸を開いて進むこと」を伝えようと、今も精力的に福祉活動を続けています。
(長谷川史記者)
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