| “バソン”という楽器をご存じですか?フランスで生まれた低音域の木管楽器で、古くから多くの名手によりすばらしい演奏が行われて来ました。
しかしドイツ生まれの“ファゴット”の登場と普及で、現在ではフランスの一部のオーケストラと愛好家を除いて、演奏する人は少なくなっています。小山清さんは、そんなバソン奏者のお一人。
実は小山さん、高校球児として甲子園を夢見ていたという、音楽家としては異色の経歴の持ち主。「野球を断念したあと、音大に進み、そこでバソンと出合いました。素朴だけれど歌心あふれる多彩な響きはファゴットでは出せない。その一方で、音色や音程のコントロールが難しい手強い楽器で演奏する人は減り、世間では名前すら知らない人がほとんどという状態でした」。
しかしそこに思わぬ救世主が! 漫画「のだめカンタービレ」の大ブームが訪れたのです。“やきトリオ”のメンバー、フランス人のポール君が愛してやまないバソンで情熱的な演奏をするシーンが描かれ、多くの人がこの楽器に注目するようになったのです。
小山さん、静岡で生まれた室内オーケストラ「シンフォニエッタ静岡」のソロ主席奏者としても昨年から活動を始めました。「還暦は過ぎましたが、若い演奏家達と一緒に成長していく気持ちです。これからもバソンの音色を一人でも多くの人に届けていきたいですね」。 (秋山綾野記者)
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