| 「日常生活を美しくする物をつくっていきたいんです」と、穏やかに語るのは、木工家具職人の遠藤能範さん。
遠藤さんは、大学卒業後、北欧で最高峰の木工技術が学べる学校のひとつ、工芸学校・カペラゴーデンで家具づくりを学ぶため、スウェーデンに渡りました。「カペラゴーデンで過ごした時間は、夢のようでした。生活と物づくりが直結していて、“美しく暮らす”ことが実践されている理想郷のような場所です」。
カペラゴーデンで学んだ体験は、遠藤さんの物づくりに対する考え方に大きな影響を与えました。「ここで学んだ人々が土地に帰り、地域に根ざしてそれぞれが文化の中心的な存在になればいい、という創設者の考え方に感銘を受けました。とても新鮮だったんです」。遠藤さんは、職人の資格を取得し、卒業後は、スウェーデンの家具工房に就職。職人と顧客の密接な関係を体験したそうです。
そして、創設者のことばを実践するかのように、昨年帰国。同じ学校で学んだ妻の故郷である静岡に工房を設立し、新しい生活がスタートしました。「製品一つ一つのクオリティーを高め、お客さんに高い満足度を与えられるような仕事ができればと思っています。そして、十分に経験を積み重ねたころ、自分がしてもらったように、技術を人に伝えることをしていきたいです」。カペラゴーデンの精神は、遠藤さんの中に深く息づいています。 (長谷川史記者)
|