| 日本画家の日下文さん。子どものころから絵を描くことが好きだったそうですが、「親の仕事の関係で転校が多く、環境が変わっても“絵を描くこと”が私のコミュニケーション手段であり、自分の居場所だったのかも」とも振り返ります。
「好きな絵を描いているのに、観てくださる人に自信を持って伝えられるテーマが見つからない」。好きだから“絵を描くこと”を続け女子美術大学で学び、日本画家として歩みだした日下さんは模索の日々を送ることに。
そんな時、清水区龍華寺本殿の涅槃(ねはん)図制作の依頼が。日下さんは1年がかりで取り組み、2003年完成。現在は年一度の公開です。「女性による涅槃図は初めてと言われ、歴史や物語、宗教観なども勉強。この制作との出合いが今の私の原点に」とも。
12月1〜14日、亀山画廊で開催の日本画展「Rebirth(リバース)」では、F30〜100号や小作品などを展示。
「今を生きる私の視点で絵巻物から発想を得て、新たな物語の構築を誘うような作品に。根底に流れる思いは祈り。家の守り神になるウサギやカエル、仏様、妖怪などが登場します。自由に観て、作品の中の物語に入っていただき、自分の物語として遊んでもらえれば」
日下さん自身の存在意義や居場所を表したともいえる、「語り部」として時空を行き来する作品、観る人の自由な発想で物語は展開されるのです。
(南條亜紀子記者)
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