| 「昨年12月に、静岡みきのくち保存研究会創立10周年を記念して`縁起物ミキノクチ展示会aを開催。大勢の人が作品と製作実演を見に来てくれ、作品提供に温かい協力もいただきました」と語る、同会会長の佐々木福弥さん。展示会では、地元清水を中心に他県を含め、150種類200点ほどのミキノクチが展示公開されました。
ミキノクチとは、江戸時代から全国各地で竹や紙などで作られた縁起物。正月や祭典の時に、徳利(お神酒)の口に挿して神棚や床の間に飾ります。「扇」「火焔」「宝珠」などおめでたい名前も。
「ミキノクチは、大工が開運招福を祈願して作り、出入りのお宅へ暮れのあいさつとして贈ったもの。販売目的ではなく、棟梁たちがプライドをかけ、技術の完成度やデザインの独創性を競ったためすばらしい作品に。製作技術の伝承と作品そのものを保存したい」と、佐々木さんは仲間三人と「静岡みきのくち保存研究会」を設立したのです。
「私が大工の先輩に教わったのは、全国でも珍しい、木曽桧や吉野杉を薄く削った経木製。職人の高齢化などで、県内でも清水を中心にわずかに製作者が残っている程度」
技の伝承者でもある佐々木さん、「生活習慣の変化や後継者不足により失われつつあるミキノクチ、今に合った飾り方の提案や、作り手の育成などこれからも積極的に活動していきたい」とも。
(南條亜紀子記者)
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