
▲「伊豆屋伝八文化振興財団」理事長も務める「伊伝」11代目・渡邉朗さん

▲「伊豆屋」の模型は、渡邉さんのおじの記憶を頼りに、間取りを復元。当時の大店の貫禄が伝わる
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「両替町は当初はまさに日本経済の中心。両替商とともに大店の並ぶ、かなりにぎやかな町だったようです」。そう語るのは、両替町1丁目で「伊豆屋」を屋号に商いを営み、代々「伊豆屋伝八」を継承し、「伊伝」の通称で知られる渡邉家の11代目・渡邉朗さんです。「そもそも1丁目には、江戸上野寛永寺の根本中堂の建立にあたり、材木を大井川上流から運び出し、巨額の富を得た豪商・松木新左衛門の店がありました。伊豆松崎町出身のわが家の先祖は1700年(享保)ごろに、松木家の番頭になり、やがて後継者のなくなった店と商いの一部を譲り受けたと伝えられております」。
古着商、質屋、太物商(綿織物・麻織物を扱う)から始まった「伊豆屋」は、やがて両替商を中心に、幅広い事業を展開。七つあった蔵と屋敷は戦災で消滅しましたが、両替商としての貸し付け台帳や、小作人からの米の納入書など商いの様子を伝える資料が一部残されています。また往年の店を復元した模型では、当時の商家の暮らしぶりをうかがうことができます。「一方で信心深く、公益事業にも熱心だった先祖が建てた持仏堂“不去来庵(ふきょらいあん)”は戦火をのがれ、今も店のあった場所に存在。歴史を伝えるものとして大切にしていきたいですね」。
「伊豆屋」のすぐ近所では、1765年(明和)、東海道中膝栗毛で知られる十返舎一九が、町奉行与力の子として誕生。「わが家にも一九の書いた軸が残っています」と渡邉さん。駿府の歴史は確かにここに残っていました。
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