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穂積(ほづみじんじゃ)

静岡市


▲竜爪山山頂近くに建つ穂積神社。望月権兵衛が鹿を撃ったことに由来する「弾除け」のご利益があるとされ、戦時中は兵隊さんが昼夜を問わず参拝に訪れ、山の上とは思えない盛況ぶりだったそうです。弾除けから派生して、その後は「徴兵逃れ」のご利益もうたわれました。


▲境内裏の杉の木。2本に見えますが、根元が繋がっているため実は1本。古本さんの調査によると、高野山と同じ杉ということ

山そのものが信仰の対象だった竜爪山

 遠足やハイキングで、登ったことがある人も多いはずの「竜爪山(りゅうそうざん)」。標高1000メートルを越す文珠山と薬師山の両方を合わせて呼ばれているその山頂近くに、この地に逃れた武田軍の残党により、慶長14年に祀られたという「穂積神社(昔の呼称は竜爪権現)」が鎮座しています。
 「落人の一人、望月権兵衛がある時真っ白な鹿を撃ち殺し、その夜から病の床に就くようになった。ある日夢枕に一人の老人が立ち、『お前が以前撃った鹿はわが使いのものである。お前が竜爪山に社を建て、われを祀るなら、その病気を治してやろう』と伝えた。言われた通り、早速社を建て竜爪権現と崇め、自ら神主となった」。以上が通説とされていますが、神社総代の古本万吉さんは、空海が作らせたと思われる経文が発見されていることから、平安時代以降の歴史があるのでは…と考えています。また高野山と同じく、山そのものを権現とする山岳宗教という点からも、空海や真言宗との関わりが深いと考えられています。このように徳川期までは神仏二道が慣習でしたが、明治の神仏分離令で、竜爪権現は仏教色が払拭され、現在の穂積神社の誕生となりました。古本さんは25年にわたり竜爪のことを調べていて、本当の歴史を伝えていきたいと研究を続けています。
 穂積神社では毎年4月17日の前日曜日を例祭日とし、今年は60年ぶりに鉄砲祭りも行われました。権兵衛が鹿を撃った伝説や、竜爪山が恰好の猟場だったことに起因しているそうですが、武田家の残党が密かに鉄砲の練習をする際、音が響いても言い訳できるよう、祭りとして認めてもらったとも。諸説紛々の竜爪山と穂積神社、山登り以外にも魅力が盛りだくさんです。

(04/05/29)

■静岡市平山1769

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